筆記



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二次創作の書き手さんへおくる20の質問に答えてみます 1

先日、とても面白いアンケートを拝見する機会がありました。
当ブログからもリンクがありますが、りえさんが運営なさっている

memories of rain~信義(シンイ)二次創作

で、「二次創作の書き手さんへおくる20の質問」というものです。

私もちょっと答えてみたくなりまして、
ですが一つ一つの質問に対する答えの量が多いのと、締切までに答えきれそうにないので、りえさんに許可をいただいて、記事としてアップさせていただくことにしました。

もとのアンケート記事は  こちら  です。


他の書き手さんの答えを見るだけでも本当に面白いです。
何回かにわけて、私も答えて記事にさせていただこうと思います。

それと、お答えだけではなんなので、答えに少し関連した以前書いていた単発の二次創作をアップしていこうかと。申し訳ないですが、シンイとはまったく関係のない話ですし、文体なども過去のものなので、ぜんぜん違います。たぶん「え? 意味わからない?」って感じだと思うのですが、アンケートに興味をお持ちの方だと、長く書いていると、どう文が変わるのかとか、作品が違うと二次も感じが違うのかとか、そういうことでちょっと面白いかなあ、と思いまして。

アンケートの答えのラストにリンクを貼っておきますが、注意書きをよくよくお読みになってから飛んでくださいませ。
まずはアンケートにお答えです。


二次創作の書き手さんへ送る20のアンケート


●創作のネタはいつ思いつきますか?

ここ、というポイントはあまりありません。思いつくか、思いつかないか、の二択です。
話を練るのは長風呂中が一番多いです。が、長くなるような話は、読み終わった後、見終わった後に、ざっくりなストーリーラインと一番自分が見たい読みたい場面が、どん、と居座っている感じです。メインの場面から逆算して、だったら(妄想で)こうじゃなきゃおかしいよね? ここはどうだったんだろう、と原作に戻って調べて(妄想で)合点がいく、というふうに隙間が埋まっていきます。この妄想で埋めてるときは、自分でもちょっと気持ち悪いなあ、というか、宇宙人とか妖精とか見える人もこうやってありもしないことをまるで本当の現実みたいに信じているんだなあ、と思う時間帯です。「だって〇〇なんだから、ぜったい〇〇でしょ!?」みたいな思考になってます。いやそれ架空のお話だから、とセルフつっこみを入れて正気をたもってる感じです。

●更新って、ほんとに大変。なんでこんなことしているんですか?

自己顕示欲というやつだと思います。感想をもらいたい、褒められたい、書いたものが人にどんな反応を与えるかを見たい。わざわざネットに上げるエネルギーは、自分の中の書きたい、書く欲求とはまったく別物です。人に読んでもらいたい、何か感じてもらいたい、褒めてもらいたい、批評してもらいたい、批判してもらいたい。承認欲求です。
あと、自分の中にある妄想をだれかと一緒にきゃーきゃー言いたいというのもあります。一人だと寂しい。
それから単純に書いて自分以外の人が喜んでいる姿を見ると、嬉しい、というのもあります。なんで喜ばせたいの、と言われるとまた考え込んじゃうんですが、別にリアルの知り合いでもないのですが、不特定多数の人間を喜ばせたい、というのは衝動としてあります。

●書いているものに飽きてきたらどうするのですか?

書かなくなる、書けなくなります。書きまくっている時期は、頭の中のキャラクターたちが私の思惑などそっちのけで動き回っているとすると、時間とともに徐々に動きが鈍くなり、たぶん完全に飽きると静止画になるのだと思います。何本も二次を書くほど好きになって、動かなくなるところまで飽きたものは今のところありません。ただ、書く情熱が下火になって、リアルが忙しくなると、優先順位として書けない、ネタが浮かばない、という状況が来ることは今までも経験済なので、物語をはじめるときは、基本的にラストまでのストーリーとざっくりとした構成は決めておいて、最悪収拾がつけられるようにというのは心がけてはいます。


――アンケートはここまでです。


飽きてきたら、という上の質問に関連して。
私の場合、映画などでちょっと好きになって、一本だけ短編を書いて満足、という作品がたくさんありました。飽きてきたら、というのとちょっと違うと思いますが、満足、という意味ではそこでストップです。

そんな中から一つ。8年前に書いた話です。
『ステルス』というハリウッド映画からの二次創作です。

【あらすじ】次世代ステルス戦闘機タロンの実用化が進められ、ベン、カーラ、ヘンリーの三人が集められ、実験飛行を行っていた。そこに、四人目の仲間が合流する。それは人工知能を搭載したタロン「E.D.I」だった。学習能力を持つE.D.Iは上官に反抗すること、自分が重要な機器であることなどを学び、暴走をはじめる。自我を持ったE.D.Iは何をするのか、それを止めようとしたカーラとベンにもさまざまな危機がふりかかる。


【注意】
・シンイの二次創作ではありません
・内容的にはブロマンス止まりですが、一応BLです
・かなり過去に書いたもののため、文体等かなり違います。


それでも読んでみたい、という方のみでどうぞ!



「エディは電気羊の夢を見るか」


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by kkkaaat | 2014-10-18 02:06 | 雑記 | Comments(5)

【シンイ二次】触れもみで3

「チュンソク、いるか!」

チェ・ヨンは于達赤の兵舎に踏み入ると、
隊長室の扉を蹴破る勢いで開けた。
チュンソクは、咄嗟に腰の剣に手をかけたが、
チェ・ヨンだとわかるとかくりと肩を落として手も下ろす。
ほっと息をついたが、急なことかと思い直して姿勢を正す。

「テホグン、何かございましたか」

机の後ろから回って前に出ながら尋ねる。
チェ・ヨンはつかつかと前に進むと、チュンソクの前で歩みを止め、
その左肩に右手を置いた。

「チュンソク、おまえ」

はいっ、とチュンソクが鋭く答える。

「平壌から戻ってのち、屋敷に戻ったか」

いいえ、戻らずに詰めております、とチュンソクが答えると、
チェ・ヨンの左手もまたチュンソクの肩に置かれる。

「それは長い間、ご苦労だった。
半月ほども留守にして屋敷の様子も気になるだろう」

ねぎらいの響きをもった声で、チェ・ヨンがそう言うと、
チュンソクは、はっ、いえ、当然のことでありますから、
と照れたように答える。
目をそらしながらまんざらでもなさそうに言うその顔を
覗きこむようにして、チェ・ヨンが続けた。

「今日は、屋敷に帰っていいぞ」

は? とチュンソクがチェ・ヨンを見る。
チェ・ヨンの口の端が、かすかに笑んだようにチュンソクには見える。

「しかしながら、チョナが戻られてまだ日も浅く、
状況が落ち着くまでは今しばらく厳重な警護が必要かと…」

案ずるな、とチェ・ヨンがチュンソクの肩を両手で叩く。
いや、でも、というチュンソクから一歩下がるとチェ・ヨンが言う。

「俺が引き受ける」

はあ? と思いがけない言葉におかしな声が、チュンソクの口から飛び出る。
今日は俺が、この隊長室に泊まるゆえ、おまえは帰れ、
とチェ・ヨンが真顔に戻って言うと、チュンソクが何度も瞬きをする。

「あの…テホグン、ちょっとおっしゃっていることの意味が、
よくわからないのですが…」

恐る恐るチュンソクが言うと、
チェ・ヨンはチュンソクの身体を扉の方に押し出しながら、

「わからなくてかまわぬ」

と少し面倒くさそうに告げ、
とにかく今日は俺がここに泊まるゆえ、おまえは帰って嫁と子の顔を見てこい、
と言い終わったときにはチュンソクの背中の後ろで、
バタンと扉がしまる。

「テホグ…ン!」

振り返って情けない声で扉越しに呼んだが、行け、
という声が聞こえただけだった。
なかば呆然としながら于達赤たちが集まる入口近くの部屋にとぼとぼと
出て行くと、そこに于達赤隊員たちと話すテマンの姿がある。
チュンソクはどういうことだ、とつめよった。

「い、医仙が、こ、皇宮に、と、泊まることになったから」

テマンのひとことで、チュンソクと隊員たちの口から、
あー…、という納得の声が漏れた。





今日は風が強い、ウンスはようやく下がった部屋の長椅子にもたれて、
めまぐるしかった一日を思い返しながら、鎧戸を鳴らす音に耳を傾ける。
頬杖をついて軽く目をつむる。

「疲れたあ」

そうつぶやきながら微笑を浮かべて、
皆と打ち合わせた今日の午後を思い返す。
若い頃には友人の結婚式のあとで、私ならこうするああする、
と盛り上がったこともある。
けれど二年ほど前、江南にいた頃には、恋人もいなくて、
仕事も軌道に乗って、あまり結婚に夢見るようなこともなくなっていた。

高麗に来て、結婚なんて考えもしないほど目まぐるしい日々の果てに、
こんな一日にたどり着いたと思うと、幸福感が妙に落ち着かない。

「ヨン」

口の中で名前を転がしてみる。
言ってから、んふふ、とふざけたように笑う。
いない相手の名前を呼んだのがどうも気恥ずかしくなって、
長椅子に積んである小枕に照れ隠しに、とうっ、
とパンチを入れてみたりする。

コン、と窓の鎧戸が鳴った。
風だろうと、気にもとめないでいると、
またコンと何かがぶつかる音がする。
眉をひそめてウンスは窓に近寄る。
部屋の窓とは反対の入口扉の前には、警備の衛士が立っている。
声をかけようか迷って、ウンスはそのまま鎧戸の隙間から外をうかがった。

部屋の中は油に灯心を立てた明かりが二つで、
お世辞にも明るいとは言えなかったが、
外はさらに暗闇が濃く、鎧戸越しには何も見えない。
やはり衛士に声をかけようと、窓から離れかけたときに声が聞こえた。

「――イムジャ」

ウンスは身体をひるがえして鎧戸に手をかける。

「イムジャ、俺です」

すぐに声の主はわかって、ウンスは跳ねのけるように鎧戸を開けた。
暗い屋根の中途に、身軽な装束のチェ・ヨンが膝をついている。
ウンスの顔が窓から見えると、チェ・ヨンの目尻がわずかに下がり、
口元が緩む。

「ちょっ――」

ちょっと、なんでこんなところにいるの、とウンスは
大きな声を出しかけて、急いで声をひそめてチェ・ヨンに言う。
なんで、屋敷に帰ったんじゃないの、ってあなた危ないわ、と
混乱して言葉をつなぐウンスに、チェ・ヨンはあたりに目を配りながら
身軽く屋根をつたってくる。

「話はあとで。今は招き入れていただきたい」

チェ・ヨンは窓まで来ると、立ち上がって窓上のふちをつかみ、
反動をつけて、軽々と部屋の中に跳びこんだ。
そのままの勢いで駆け寄って、窓際に立っていたウンスをそのまま
腕の中に囲いこむ。
ウンスの頭の上に、チェ・ヨンが喉で笑う振動が伝わってくる。

「皇宮の警護は、もう少し屋根の上にも目を光らせるべきだな」

チェ・ヨンはかいくぐってウンスの部屋にたどり着いたのが
よほど嬉しいのか、禁軍のやつらに戒めねば、と言いながら
何度も胸の奥でさざなみのように笑う。

「どこにいたのよ、屋敷に帰ったって聞いたわ」

ウンスが少し身体を離して顔を上げて問うと、
于達赤兵舎の隊長室におりました、とこともなげに答える。

「隠れてたの?」

とウンスが笑いながら尋ねると、隠れてはおりません、
ただ居ただけです、とうそぶく。
ウンスが握った手を口元に当ててくすくすと笑っていると、
チェ・ヨンはその細い首をなぞるように手のひらで撫であげ、
ウンスの顎を長い指でそっと押して上向けると覆いかぶさってくる。
遠慮なしに唇を舌が割り、先ほど窓から跳びこんできたように、
ウンスの口の中に入りこむ。

ウンスもまた、チェ・ヨンの脇腹から背中に両手を回し、
ぎゅうとしがみついた。
痛いほど抱き寄せ合いながら、口づける。

「叔母上め、何が、嫁入り前は、実家で、すごす、もの、だ」

やっと口づけられた昂ぶりで出る忍び笑いと、口づけと、憎まれ口で
息を切らせるチェ・ヨンの様子は、昼間の皇宮でみせる真顔からは
予想もつかない熱烈さだ。

「触れもしないで帰れるものか」

一度唇を離して、額をウンスの額に痛いほど押し付けたまま、
そう言う。
チェ・ヨンの熱気が、ウンスの背中をかけのぼる。
髪の中に差しこまれた指が、耳をなぞって首の後ろを滑るだけで
ウンスは身体を震わせて、膝が立たないようになって寄りかかった。
もたれてくるウンスの身体を片手で支えながら、チェ・ヨンの手は
夢中で胸元を探りはじめる。

「ね、ちょっと、だめだったら」

ウンスは震える声で、チェ・ヨンの胸に両手を当てて押しとどめる。
乱れた髪が、ふわりと顔のまわりに漂うさまに、
チェ・ヨンの手には余計に力がこもる。
ウンスはチェ・ヨンの力に逆らいきれず、近寄ってくる顔を避けて
必死にうつむいて逃げる。

「なぜです。俺はもう一人寝はごめんです」

すがるようにウンスの肩を離さないチェ・ヨンが当然のように言って
さらに抱き寄せると、ウンスはもう腕に力の入らぬさまで、
それでもあらがう。

「ね、お願い。ぜったいに気づかれる」

部屋の入口に視線をやって、チェ・ヨンに衛士がいるのを伝える。

「途中で踏み込まれたらわたし、皇宮を歩けなくなっちゃう」

涙のたまった目で見上げて懇願するが、
それがかえってチェ・ヨンをあおる。

「じゃあ、あいつらを下がらせます」

チェ・ヨンが怒ったように言うと、ウンスは、
もうばか!と胸を拳で叩く。
熱と焦りを逃すように、チェ・ヨンは、長くと息を吐きながら、
首を振り策を探す。

「ウダルチの隊長室に行きましょう。あそこなら、ここよりましでしょう」

懇願を隠せない声で言うのを、ウンスが頭を振りながら、
手のひらで押し返す。

「ましなもんですか! 
みんなが扉の前で聞き耳を立ててるに決まってる」

そんなことはない、とは到底言えずに、
かといって諦める気にもならず、チェ・ヨンは口ごもる。
説得の言葉を思いつかぬまま吸い寄せられるようにウンスの顔を撫で、
自分へと引き寄せようとするが、だめ、だめ、と
繰り返されると無下にもできない。

「ならどうすればよい!」

チェ・ヨンは苛立ちのあまり、窓横の壁を拳でドンと叩く。

「ウンス殿?」

途端に扉の向こうから、衛士の声がかかる。
ウンスが大声で慌てて答える。

「なんでもないわ! 椅子に足をひっかけただけ」

慌てて答えるウンスの声を聞いて、チェ・ヨンがため息をつく。
チェ・ヨンの手が、ようやくためらいを見せ、
身体を撫でる手がゆっくりになり、止まり、
ただ強くウンスを抱きしめるだけになる。

「ね、ほんとに、ここはだめなのよ。お願いだから帰って。
あと数日もすれば、王妃様もチェ尚宮だって気が済むわ。
できるだけ早くいろいろ決めて、屋敷に戻れるようにするから」

チェ・ヨンは沈黙のままウンスを抱きこんで、
しばらくじっとしていたが、やおら顔を上げると、
ウンスの頭の後ろを引っつかんで手繰り寄せ、
自分の口を、噛み付くように押しつけた。

「んんっ」

ウンスは息を奪われて、目を見開いてそれを受けたが、
すぐに心を奪われて力を抜く。
刻むようにくちづけて、チェ・ヨンは余韻もなく立ち上がると、
それでも少し笑ってみせて、「貸しです」と言い捨てる。

それから、窓のふちに手を置くと、飛び越えて姿を消した。



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by kkkaaat | 2014-10-12 23:48 | 金銀花【シンイ二次】 | Comments(10)

【シンイ二次】火、狩人9

「大丈夫、よく寝ているわ。バイタルも安定してる」

部屋から出てきたウンスは、部屋の入口で覗きこんでいる
チェ・ヨンとチュンソクを押し戻すようにして扉を閉めかけて、
念のため細く開けたままにした。

「張り番に立ちます」

とチュンソクが短く言うと、チェ・ヨンは無言で素早くうなずき、
足早に部屋の前から立ち去る。
チェ・ヨンは廊下をリビングへと行きかけて振り返り、
ついてこいというようにウンスに向かって頭を傾けた。
ウンスはヒゲの男チュンソクに何か言おうか迷ったが、モニタもつけたし、
と思い直して部屋から離れる。

「言われなくてもそっちに行きます。
言っときますけど、わたしのうちなんですからね」

なぜか廊下の途中で待っていたチェ・ヨンに、ツンと顎を上げ言う。
聞いているのか聞いていないのか、チェ・ヨンはふいと顔をそらすと
リビング扉へと進んでいってしまった。
一歩の幅が大きくて、背筋を伸ばして数歩進むと、
すりガラスのついた扉の前についてしまう。
扉を押し開けると、4、5人座れるほどの自慢の革張りのソファセットには
中央にチョナだけが、所在なさげにちょこんと座っている。

テマンと呼ばれていた青年は、電灯の下で見ると、
ほとんど少年と言ってもいいように見える。
チョナの後ろには、トクマンという石像の後ろから最後にあらわれた青年が
控えているが、ひどく眠たそうで、出かけたあくびを噛み殺している。

ウンスがチェ・ヨンの後ろから部屋に入ると、
チャン・ビンだけが立ち働いていて、リビングにつながったキッチンの入口から
出てきたところだった。

「借りたぞ」

何かと思ったが、手に持ったトレーの上には、湯気の上がったマグカップが乗っている。
かまいません、と答える前に、尋ねられる。

「どうだ」

とチャン・ビンが尋ねると、いっせいにウンスに視線が集まった。
ウンスが凝った肩をほぐすように首を回しながら、チャン・ビンに歩み寄る。

「清拭をやりなおして、セファゾリンを点滴で入れたわ」

輸血ができないから、気休めだけど鉄剤、なんとか経口投与できたから、
とウンスはしゃべりながら、マグカップをトレーから取り、
両手を温めるように持つと、ちらりとチェ・ヨンを見ながら話す。

先輩が移動用のモニタをお持ちでよかったわ、と続けると
チャン・ビンを除いた男たちは意味がわからずこっそりと目で見交わす。
わたしの、とそこにアクセントを置いて言う。

「腕がよかったから、あんな場所だったけど、縫合跡も悪くないし、
脈拍がちょっと早いけど、オキシも正常値。
四十八時間高熱がでなければ、あとはたぶん大丈夫」

ということですよ、安心してください、とチャン・ビンがウンスの肩ごしに
チョナに告げる。
ウンスも気づいて顔を上げ、振り返ってチョナに向かい、
力づけるように笑いかける。

チョナは黙ったまま、静かに顎を引いて力なく口だけに礼めいた微笑みを浮かべた。
明るいところで見ると、顔にまで泥はねや、得体のしれない黒ずんだ汚れが散っていて、
目の下の隈が濃く、顔も青白い。
ウンスはそれを見て、チャン・ビンの手元からもう一つマグカップを
持ち上げると、冷蔵庫に歩み寄る。
牛乳を出すとコーヒーに加え、砂糖もふた匙入れてかきまわすと、
チョナに歩み寄る。

テマンがすい、と行く手をさえぎる。
ウンスが避けようと横に動くと、合わせてすい、すい、と動くので
邪魔されているのだとようやく気づく。

「ねえ、わたしこれをチョナくんに渡したいんだけど」

な、なんでだ、あ、あとチョナくんって言うなっ、とテマンが
ウンスを睨みつけながら言う。
威嚇されているのはわかるが、その幼さの残る眼差しに、
ウンスはぷっと吹き出す。

「な、な、なんだ! ふふふざけるなっ!」

ウンスはカップをテマンの鼻先に持ち上げて、
カップ越しにテマンの目を覗きこむ。

「あのね、これを渡して飲んでもらって、一息ついてもらおうと思っただけよ。
あの女性、この人の奥さん役なんでしょ? 
たぶん、この人が一番心配して、精神的に疲れてると思う、ね?」

そう子どもに言い聞かせるように言うと、テマンは精一杯の威嚇の持って行き場が
なくなって、いや、あの、と言いながら、チェ・ヨンの方を、ちらっちらっと見る。

「それは、なんだ?」

扉の前のリビングが見渡せる場所で、仁王立ちになったままのチェ・ヨンが、
ウンスの後ろから尋ねる。
振り返って、ウンスは小さくため息をついて答える。

「あのね、ただのカフェオレ。あったかいし甘いし、疲れが取れるでしょ」

そのようなものは知らぬ、とチェ・ヨンが突っぱねると、
チャン・ビンが助け舟を出した。

「豆を炒ったものを煎じた飲み物で、疲労をとって目を覚まさせると同時に、
心を鎮める効果がある薬草茶だ。心配なら、毒見でもなんでもしてかまわない」

ウンスも飲んでいる、と言うとウンスは片手で持った自分のカップを
顔の前に掲げてみせる。
チェ・ヨンは少しだけ目を別の方に向けると、すぐにウンスに戻す。
そのままウンスをじっと見つめたまま、テマンに一言毒見せよ、と告げた。
テマンが、おおお俺ですか、と自分の顔を指さす。

ウンスがわざとらしくにっこりと笑って、テマンにカップを手渡す。
テマンはカップを受け取ると、恐る恐る口を近づける。
カップに集中するあまり、目が真ん中に寄っている。

「あっつっ!」

テマンがカップにつけた口をぱっと離すと同時に、
チェ・ヨンとトクマンの手が剣にかかる。

「だ、大丈夫っす。熱かっただ、だけです」

テマンが慌てて言うと、二人の手がゆっくりと剣から離れる。
その大げさな様子に、ウンスとチャン・ビンはこっそりと目を合わせて肩をすくめた。
ふーふー、と何度か吹いて、今度こそテマンはカップから一口すする。

「あ」

と一言発して、もう一度一口飲んでテマンは顔を上げた。

「これ、苦いけどうまい、う、うまいです、これ」

もう一口とカップを口元に運ぼうとしたところに、チェ・ヨンの声がかかる。

「テマン、チョナに献上せよ」

テマンは、はっと顔を上げて、そろそろとカップをチョナの元へと運ぶ。
チョナは運ばれたそれを受け取って、しばらくじっと見ていたが、
意を決して持ち上げると口をつけた。
口の中にカフェオレが流れこむと、一瞬目を大きく見開いて、
カップを離し、むせて咳こむ。

「大丈夫ですかっ!」

チェ・ヨンが大声で駆け寄るのと、テマンとトクマンが剣を抜くのが同時だった。
ウンスが飛び上がってチャン・ビンの後ろに隠れるのと、
チョナの手が上がるのがほぼ同時だった。

「待…て…」

咳の合間に絞り出すように言うと、剣を構えたままテマンとトクマンが
チョナの様子をうかがう。
なんとか息を整えて、チョナが言葉を続ける。

「大事ない、…はじめてのものゆえ、驚いただけである」

ご無理なさらなくても、とチェ・ヨンが言うと、チョナは弱々しくではあったが笑った。

「いや、悪うない。甘く、なにやら効きそうであるぞ」

そちたちも飲むがよい、とチャン・ビンのトレーを指し示す。
三人は顔を見合わせる。まずテマンが口を開いた。

「も、もっと、甘くできるか?」

チャン・ビンの後ろから、顔だけを覗かせているウンスがこくこくとうなずく。
じゃあ、俺も、とトクマンがおずおずと言う。
ウンスは牛乳と砂糖を大目に入れて、三つのカフェオレを作ってやる。
テマンはすでに待ちきれない様子で、傍らまで来て待っていて、
いそいそとウンスの手からカフェオレを受け取る。

「あ、待って!」

急にそう言われて、テマンはカップを持ったまま、ぴたりと動きを止めた。
ウンスが冷蔵庫から、スプレーを取り出す。

「サービスよ」

ウンスはテマンのカップにスプレーの生クリームを絞る。
シューという音とともに盛り上がる白い塊に、テマンは目を丸くした。
チェ・ヨンが止める間もなく、指をつっこみペロリと舐める。

「うっまい!」

テマンはホイップに鼻をつっこんで、夢中で飲み出す。
ウンスが、カフェオレを飲むチョナの後ろで待つトクマンまでカップを運ぶと、
トクマンもおっかなびっくり受け取って、俺も、とひそめた声でスプレーを指差す。
最後に、チェ・ヨンのもとにカップを運ぶ。

「俺は、飲まぬ」

チェ・ヨンはカップから目をそらし、受け取らない。
ウンスはむっとして口をぐっと歪める。

「別に欲しくない人には、あ・げ・ま・せ・ん!」

顔だけを突き出して、言葉を区切りながらウンスがそう言うと、
うまいですよ、とトクマンが横から口をはさみ、
チェ・ヨンに睨みつけられて首をすくめた。

「そちも飲んでよいのだぞ。毒ではなく、休まる」

チョナに静かな声でそう言われて、チェ・ヨンはふう、と息をつき、

「それでは、そこのおん……医仙殿、水をいっぱいもらえぬか」

カップを流し脇にドンと置くと、お水ね、と忌々しげに言ったウンスは、
棚からグラスを取り出したが、それを一度棚に戻すと、大きなジョッキを取り直す。
冷蔵庫から出したミネラルウオーターを棚から出したジョッキになみなみと
そそぐと、チェ・ヨンに向かって、はいっとぶっきらぼうにつき出す。

「かたじけない」

ぼそりとそう言うと、チェ・ヨンは水を受け取る。
大きなジョッキが、この背の高い男が持つと、わずかに小さく見える。
あまりにも透明なガラスに一瞬目を奪われて、かすかにチェ・ヨンの口が開くのを、
ウンスは怪訝な顔で見つめる。
ウンスの視線にうながされるように、チェ・ヨンはジョッキに口をつけ、
また一瞬動きを止めた。
それから堰を切ったように飲み出す。

ウンスは睨みつけるようにチェ・ヨンを見ていたが、
大きなジョッキいっぱいの水を一息ですべりこませ、
ごくり、ごくりと動くその男にしては白い喉に、
そのうちにぽかんと見惚れていた。

「これは…」

飲み終わると、手の甲で口元をぬぐって、チェ・ヨンは思わず呟く。
はっ、と我に帰ったウンスは、目をさまよわせながら、何よ、と聞き返す。

「このように、氷のように冷たく、うまい水は」

初めてだ、とぽつりと言う。
ウンスの予想とは違った言葉がチェ・ヨンの口から転がりでる。

「そ、それは――それは、よかったわ…」

ウンスは毒気を抜かれて、それしか言えず。
しばらくチェ・ヨンと向かい合っていたが、続く言葉が見つからず、
くるりと背中を向ける。

「水くらい、いくらでも飲んだらいいと思うけど!」

ウンスはなぜか喉がつまって、そう言うのが精一杯だった。



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by kkkaaat | 2014-10-11 11:12 | 火、狩人【シンイ二次】 | Comments(12)

お知らせごとつめこみ

こんばんは、ミチです。
いつも当ブログをお読みいただき、誠に誠にありがとうございます<(_ _)> 
いくつかのご連絡をまとめてさせていただきます。

まず、この度は一周年企画にたくさんのコメントをいただき、ありがとうございました。
締め切らせていただいた後に、リクエスト間に合わなかった、という方もいらっしゃいましたが、いやはや当然です。
一ヶ月くらい更新がないことが、ざらなブログにで突然、締切今週中なんて言われてもねえ…。
リクしたかった! という方すみません。あの、多くのリクエストをいただいているので、「書きます!」と断言はできませんが、いつでも、どこでも、「こんな話が読んでみたいんですよ、書いてほしいんですよ」というコメントは、ウェルカムです。
よかったらいつでもリクエストくださいね。

そして「なんで急にまた更新頻度が上がってるの!」と思われた方、そうなんです。一年に一度の暇な時期がやってきつつあるのです。なので少しでも時間のある今、頭の中にたまって澱んで発酵しつつある妄想を、吐き出せたらなあと思ってます。

「北斗七星」は、ほぼほぼ書き終わりました。あと二回ほどです。ただこの話をアップしてしまうと、今回リクエストいただい穴埋めの話も、微妙にテンションが下がりそうなので(話が暗いとかではなく、自分の中でおさまりがついちゃいそうなので)、できればラストはある程度自分で書けそうなリクエストをこなしてからのアップにさせていただこうと思います。
それと「火、狩人」をある程度軌道に乗せてから、「北斗七星」を終わらせたい、というのもありまして。

ですので、まず「触れもみで」と「火、狩人」、それから二次小説ではない雑談記事(あの、二次創作に関してのアンケートに答える記事を何回かにわけて書かせていただきたく)を交互にアップさせていただき、「触れもみで」が終わったら、別のリクエスト話をしばらく更新し、そのどこかで「北斗七星」の7をアップ。年内中には、「北斗七星」のラストまでアップし、その後は軌道に乗った「火、狩人」とリクエストの中から選んで、また別の少し長い話を書ければなあ、と思ってます。
まあそんなふうに計画通りに行くとはかぎらないので、あくまで計画ですが(;・∀・)

あの、先に言い訳しておくと、もしも11月に別の仕事が入ってしまったら、あまりたくさんは書けないかもしれません。でも、もし時間がとれたら、リクエスト短編いろいろ書きたい! と思ってます。

最後にコメント欄でご質問があった「触れもみで」のタイトルの意味ですが、「触れてもみないで」「触りもしないで」という意味で、ご質問の通り、与謝野晶子の「柔肌の熱き血潮の触れもみで―」という短歌で使われている言葉です。本日アップしました2では、さっそく触れられない状況になりつつありますね(´ε`;) どちらかと言うとチェ・ヨン心の叫び的な意味合いのタイトルです(笑)

長々とまとまりのない記事ですみません。
今後の予定のご報告でした。

ミチ拝


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by kkkaaat | 2014-10-09 22:55 | お知らせ | Comments(10)

【シンイ二次】触れもみで2


王が傍らに顔を向けると、王妃がうなずく。
次に王妃がチェ尚宮に、話せ、というようにかすかに顎を引いた。
チェ尚宮が、あらたまった調子で話し出す。

「そなたたち二人には、親がおらぬ」

ヨンはぴくりと身を震わせ、ウンスの方をうかがった。
ウンスは気にもせず、そうだ、と納得するようにうなずいている。

「ヨン、婚儀においての後ろ盾は、お前の父の妹である私がつとめよう」

チェ尚宮がそう低い声で告げると、チェ・ヨンはこくりと頭を下げる。
続けチェ尚宮は、ウンスを見る。

「して、そなたじゃ」

ウンスは神妙な顔で、チェ尚宮の顔を見つめている。
チェ・ヨンが口を開きかけるのを、チェ尚宮は目顔で押しとどめて話し続ける。

「そなたは、そなた自身を除いてまさに何も持たぬ身。
そのような身になったのも、我が甥の振る舞いによるもの。
この男は、その責を一身にて引き受ける覚悟はできておる。
そうだな、ヨン」

言われてチェ・ヨンは、チェ尚宮の目を見つめたまま、素早くうなずき、
そのままウンスに顔を向けて、深くゆっくりとうなずいてみせた。
ウンスはチェ・ヨンとじっと目を合わせたまま、微笑んでみせる。

「しかし、だ!」

チェ尚宮は、二人だけの世界に入りこみそうな
ヨンとウンスを咳払いで引き戻す。

「婚礼の儀の支度は本来なら母親のもと、細やかになされるもの。
おまえのような粗忽な武人にまかせてまともな婚礼ができるとは思えぬ」

チェ・ヨンは図星をさされて、戸惑ったように視線を泳がせる。
確かに男の身で、婚儀について詳しいことなど何も知らぬ。
やりこめられる珍しい姿にウンスがにやついていると、
チェ尚宮が釘を刺す。

「かたや、しきたり作法を知らぬ天人じゃ」

自分のことを言われて、ウンスは身体を小さく縮こめる。

「そこで」

急に後ろから声がして、チェ尚宮が開きかけた口のまま振り返る。
王妃が、ウンスの方へとわずかに身を乗り出す。
話を待ちきれない王妃が、自ら声をかけたのだった。

「私が、ウンスの後ろ盾となり、婚儀支度、万事采配いたそう。
ウンスに命を助けられ、心細き折、支えになってくれた恩に
少しでも報いてやれればと思うておる」

私には、そなたが姉のように思える、と王妃がはにかむように言うと、
ウンスは、にっこりと微笑んで王妃に向かって何度もうなずく。

「だからこの度のこと、私にめんどうを見させてはくれまいか」

ウンス、チェ・ヨン、異議ないか。
王が、手を伸ばして王妃の手に重ねながら、付け加える。

「ありがたきこと」

チェ・ヨンが低く響く声でそう言うと、ウンスも少し慌てて
ありがとうございます、と頭を下げてお辞儀する。
チェ尚宮が、ふう、と肩の力を抜いて言う。

「これが、用件じゃ」

チェ・ヨンは王と王妃の顔をしっかりと見つめ、顎を引く。
それからくるりと身体を返すと、ウンスの肩に触れうながし、
下がろうとした。

「ヨン!」

間髪を入れずに、チェ尚宮が声を飛ばす。
チェ・ヨンは立ち止まり、なんとはなしに振り返りたくないふうで、
肩ごしにちらと顔をだけを向ける。
チェ尚宮が嬉しそうに付け加える。

「下がってよいのは、おまえだけじゃ。
ウンス殿はこれより、王妃様と相談せねばならぬでな。
おまえも皇宮を留守にしていたゆえ、仕事が山積みであろう」

まさか屋敷に戻るつもりでもあるまい、と釘を刺されて、
チェ・ヨンはチェ尚宮に見えぬように、歯噛みする。
ウンスは、チェ・ヨンと王たちの顔をせわしなく視線を行き来させ、
困ったように、わたしですか、と自分を指差す。

「お残りください。仕事がすみましたら、迎えにあがります」

チェ・ヨンは振り返らずに、ウンスにそう告げると、
不機嫌を隠しきれずに、足音も荒く部屋から出て行った。
その背中を見送りながら、チェ尚宮は肩をすくめ、
王と王妃はくすくすと笑いをもらした。





「だからねガーデンパーティーっていうのは、
えーっと、この時代で言うと、どうなるかな?」

話をまとめますと庭園にて宴をとりおこなうということでしょうか、
とドチが恐る恐る尋ねると、ウンスが、テーブルとか置いて、
そこにごちそうをならべてね、と説明を続ける。

「重陽の節句の、菊見のようなものであろうか…」

王妃がつぶやくと、ピンポーン近いわ! とウンスが手を叩く。
でももっとこうわいわい賑やかな感じかな、とウンスが言うと、
舞を見ながらの宴会のようなものか、とチェ尚宮が首をひねる。

「ほら、ここの中庭、あそこなんか広くて人もたくさん集まれるし、
手入れもよくされてるし。ほんとはねイングリッシュガーデンっぽい
ところが理想なんだけど、ほら、この時代にはないじゃない?」

ウンスの言うイングリッシュ某がわからずに、王妃とチェ尚宮は顔を見合わせる。
ねえ、あそこ借りられるの? とウンスがいいことを思いついた、
とでもいうように明るく尋ねると、ドチとチェ尚宮、数人の内官たちが声をそろえた。

「めっそうもありませぬ!」

いっせいに叱られて目を見開いたウンスに、ドチが説明する。

「ウンス殿、よいですか。この皇宮の主は王殿下でございます。
その皇宮を臣下がよいようにするなどということはあってはならぬこと。
キ・チョルがかつてここで祝宴を催したこと、覚えておられますか?
それは臣下の礼を欠く不遜な行いなのでございます」

ああ! とウンスにとっては格別には昔でもないことを思い出して、
ぽんと手を打ち合わせる。

「そうか、そうなんだ。ドチさん、教えてくれてありがとう!
わたしまた、失礼なことしちゃうところだったわ。ごめんなさいね。
じゃあ」

大護軍の屋敷の庭ならどうかしら、とウンスが尋ねると、
ドチとチェ尚宮は顔を見合わせる。

「まあ、それならば…」

屋敷にて婚礼の儀のあとの宴を行うは習わしである。
ただそれが、庭でなければ、という但し書きはつくわけだが。
チェ尚宮が腕を組む。

「まあそれならば、花見の宴のように毛氈を敷き、場をととのえて
宴席をもうければやれぬこともないか」

呟くように言うのを聞いて、ウンスが飛び上がる。

「嬉しいわ! 明るいお庭で、お世話になった人はみーんな呼んで」

絶対に来てね、とドチとチェ尚宮の手を握る。
チョナともちろんあなたも来てくれるわね、と王妃にも言う。
それから、于達赤のみんなに、アンジェも呼ばなきゃね、
あ、チェ・ヨンの職場の人ってどういう扱い? 上司、えーと、
上役にあたる人って誰なのかな? とまくし立てるウンスに、
またもや皆がいっせいに声をあわせる。

「めっそうもありませぬ!」

王と王妃の出る祝宴に、于達赤程度の身分のものが同席するのは
ありえぬ話だと諭す内官たちにウンスは、それは譲れないと、言い張る。
ならばそうしてやるがよい、と王妃が助け舟を出す。

「ウンスは天界の娘ゆえ、できることは天界の作法でしたいのでしょう」

王妃が静かにうなずきながらそう言うと、

「ありがとうございます!
わたしね、高麗に来てほんとにいろんな人に助けてもらったから、
そのお礼をしたいの」

スリバンのみんなも呼びたいわ、マンボ姐さんにはすごくお世話になったから、
と続けるウンスの横で、チェ尚宮とドチが頭をかかえ、
こっそりとため息をついた。





「テホグンチェ・ヨン、いらっしゃいました」

なんじゃ随分早いな、とチェ尚宮が言うと
チェ・ヨンは少しむっとしながら頭を下げた。
見ると、ウンスをのぞいた皆に疲労の色が濃い。
見当がついてチェ・ヨンは口元だけで、ふ、と笑った。
ウンスが、跳ね上がるように机に手をついて立ち上がるのを見ると、
途端に顔つきから険が溶けるように消える。

「イムジャ、お待たせしました」

落ち着いた言い方はいつもの通りだが、
声だけがウンスのもとにかけよるような弾んだ響きがあるのを、
隠しおおせてはいなかった。

それじゃあ、わたしは失礼して、次はいつ来ればいいかしら、
と言いながら、すでに足はチェ・ヨンの方へと一歩、二歩と
進み始めているウンスの腕を、チェ尚宮がむんずとつかんだ。

「何を言うておる」

へ? とウンスから間の抜けた声がこぼれる。
チェ尚宮は当然のことといった調子で続ける。

「ウンス殿の部屋は、典医寺近くに用意してあるではないか。
これより婚礼まで、衣装、作法、宴の準備もろもろ、
せねばならぬ事は山とある。いちいち通いでは間に合わぬ」

なにを、と声を上げるチェ・ヨンにかぶせて、
それにだ、とチェ尚宮が続ける。

「ウンス殿は嫁入り前の娘御であるぞ、わかっておるのか。
いくら許嫁となったとはいえ、婚儀までは実家で過ごすのが習い」

それは大護軍に少し酷ではないか、と王妃が後ろから控えめに言うと、
お優しいお気持ちはわかりますが、こういったことはけじめが肝心、
と深く頭を下げて言う。
しかし実家はなく俺がもっとも縁付いた者ではないですか、
とチェ・ヨンが突っかかるように言うと、
チェ尚宮は声を高めて言い返した。

「王妃様が後ろ盾となったからには、ここが実家のようなもの。
幸いにもお前が留守の間に過ごして、部屋もしつらえてある。
このままここに住まうのが道理というもの。
それとも何か、おまえはウンス殿の対面を汚してもかまわぬと言うのか」

正論をはかれて、チェ・ヨンは顔を少し赤くして言葉を失った。

「いえあの、娘御って言っても、もう娘って歳じゃありませんし、
あの世間体が悪いもなにも、あの、知れ渡っちゃってるわけですしね。
ほら、わたし高麗に親戚とかいないから、特に困る、ってことも――」

と半笑いで間に入ろうしたウンスをきっぱりと手で押しとどめる。

「こやつめ、少し浮ついておりますゆえ、ものごとには筋道がある、
という話をしておるだけです。口出し無用!」

チェ・ヨンは言い返す言葉が見つからず、しばらくじっと黙って
考えこんでいたが、ふう、と息をはいて肩の力を抜くと、
まっすぐにチェ尚宮の顔を見る。

「叔母上の言うことはわかった。今日のところは引き下がる」

続けてウンスと目を合わせる。

「今宵はこちらにお泊りください」

ウンスがかすかに戸惑ったように首をかしげると、
チェ・ヨンは、また来ます、と薄く笑って告げ、
部屋から出ていった。



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by kkkaaat | 2014-10-08 17:31 | 金銀花【シンイ二次】 | Comments(18)

【シンイ二次】触れもみで1

「金銀花」13話と14話のあいだの期間の話になります。
話は、13話の翌日よりはじまります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

瞼を通して刺さる光が、すでに陽が高い時刻だと告げている。
伸びをしようとして、身体がすっぽりと抱き込まれていることに気づいた
ウンスは開きかけた瞼をもう一度閉じ直して、微笑みを浮かべた。
伸びをするかわりに、くるりと身体を反転させる。

それから、目の前の寝顔を予想しながら目を開ける。

「目が覚めましたか」

チェ・ヨンはだいぶ前に起きたであろう顔で、
ウンスの開いていく目をじっと見つめていた。
視線がからんで、ウンスは驚きと面映さとで、
顔が赤らんで膨れあがるような錯覚をおぼえる。

「起きてたの?」

そうウンスが尋ねると、はい、とチェ・ヨンは短く答える。

「動かなかったし、寝てるのかと思った」

必要もない照れ隠しにそう言うと、起こしたくなかったので、
とチェ・ヨンは言いながら、ウンスの顔にかかった髪を
丁寧にかきあげて耳にかける。
耳の後ろを撫でた指が、そのまま頬の稜線を滑っておとがいにかかると、
ヨンは指一つでウンスの顔を引き寄せて、自分の唇を押しつける。
昨日の激しさが嘘のように柔らかな口づけに、ウンスも身を任せる。

そのまま身体も引き寄せられて、チェ・ヨンは自分の胸の中にすっぽりと
ウンスを抱きすくめて、ほうっ、満足げな息を吐いた。

「夢…のようだ」

そうチェ・ヨンが呟くと、ウンスがその顎の下で顔を上向ける。
チェ・ヨンが顔を下に向けて、ウンスの額に触れるようにして話す。

「夢想は毒です」

そう言うチェ・ヨンの腕にわずかに力がこもる。

「庭を作るのはよい。支度を整えるのもかまわぬ。
けれど、腕の中におらぬものを抱けば…人は、腐ります。
それでも、夜の眠りに見る夢はどうにもならぬので」

チェ・ヨンの唇が、ウンスの髪と額の境目に押しつけられる。

「たまには、夢にみました」

目が覚めると地獄です、とチェ・ヨンは笑いを滲ませながら言う。

「今朝は目が覚めても、まだ、夢が尽きぬ」

そう言いながら、腕の力を強くする。
夢じゃないわ、とウンスが声に力をこめる。

「わかっています」

チェ・ヨンは髪に顔をうずめて答える。
黙ったまま背中を撫ぜる手が、さらに下へと滑る。
腰を引き寄せられて、足をからめられても、ウンスはそのまま
チェ・ヨンの身体に自分を溶けこませるように寄り添う。

「そろそろ、起きたほうがいいかもね」

蕩けたような声でそう呟くと、チェ・ヨンは喉で笑って、
今日はもう寝床から出るのはやめだ、と勝手に決めこんで答えた。
髪に潜っていたチェ・ヨンの顔が頬沿いに降りてきて、
唇の上をそのまま通り、喉に吸い付く。
喉の下のくぼみを探り始めた唇が、ふと止まる。

「あの、旦那さま」

ためらいがちな声が、扉の向こうから呼びかけた。
チェ・ヨンが動きを止めたのは、声がかかる前に、
すでにその足音を聞きつけていたからのようだった。
ウンスが身をすくめる。

「あ、あの、旦那さま」

いらえがないのに、困ったように呼びかけているのは、
昨日屋敷の入口ですれ違った年かさの女だろう。
ウンスは掛布を鼻のあたりまで引き上げる。
黙りこんでいたチェ・ヨンが、一度口を引き結んで、
頭を手でがしがしとかきまわす。

「なにか」

諦めて答えると、扉の向こうの声が申し訳なさそうに言う。

「テマン殿が、いらっしゃっております。お伝えしたいことがあるとか」

ウンスは慌てだして、そこらに散らばっている自分の着物を布団の中に
引きこんで身に着けようとしはじめる。
チェ・ヨンはウンスの腕をぐいとつかんで、それを止める。

「おい、テマン。そこにいるな」

そうチェ・ヨンが言うと、います、俺です、と女のすぐ後ろで声がした。

「用件は」

チェ・ヨンが問うと、皇宮へ出仕せよとのお達しです、とテマンが答える。
ちっ、とチェ・ヨンは隠しもせずに盛大な舌打ちをした。
それからウンスと目を合わせる。
ウンスは半笑いで、肩をすくめる。

「急ぎなのか」

未練たらしく聞くチェ・ヨンに、ウンスは布団の中で思わずくすくすと笑う。

「い、急ぎかはわかんないですけど、チョナだけじゃなくて、
チェ尚宮も、い、いらっしゃって、早う呼んでこい! って」

チェ・ヨンは、くそっ、と部屋の外には聞こえぬ小声で呟いて、
一瞬寝床にがばと伏せたが、すぐに立ち上がって、下帯をつける。
下衣を瞬く間につけると、上の長い着物は羽織っただけで扉に向かう。
がすぐにきびすを返してウンスへと顔を向けた。

「用事をすませてまいります。少し、お休みになるといい。
あなたが寝床を出る前に、戻ります」

そう言ってから思い直したように、腹が減ったら厨屋に行けば、
何か食べられるよう言いつけておくから、と言葉を加えた。
ウンスがこくこくとうなずいて、掛布のふちから小さく手を振ると、
チェ・ヨンは名残惜しそうに口だけで微笑んで部屋を出る。

大股で廊下を歩いていく足音と、テマンと話す声が遠ざかると、
ウンスは今度こそうーんとうめきながら身体を伸ばす。
結局昨晩はろくに眠れず、くたくただった。
少し眠って、それからお腹いっぱい、と考えかけたところで、
足音が戻ってくるのに気がつく。

がらり、と扉が開くと、出て行ったはずのチェ・ヨンが立っていた。

「イムジャ」

呼びかけられてウンスは、なに? と戸惑いながら答える。

「それが、チョナは俺だけじゃなく、あなたもお呼びのようなのです」






「テホグン、チェ・ヨン、ただいま御前に」

康安殿では、王、王妃がそろってチェ・ヨンとウンスを待っていた。
ドチ、チェ尚宮、近しい内官たちも数人、控えている。
ぺこり、とウンスが頭を下げたのが合図のようになって、
チェ・ヨンが口を開く。

「して、どのような」

言いかけたのをさえぎるようにチェ尚宮が言葉をかぶせる。

「長旅の疲れもあろうと急かさず待っておったというのに、
まったくいつになっても出仕の気配もないゆえ、
テマンを呼びにやらせたが」

チェ尚宮がじろりとチェ・ヨンの頭から足までに視線を走らせる。

「なんじゃその腑抜けたありさまは。でれでれしおって。
同じだけの旅をなさったというのに、
チョナはすでに執務におつきになっておるぞ。
だというのに、まったくおまえは!」

チェ・ヨンは目を見開いて、何かを言い返そうとしたが、
王が言葉をはさむ。

「まあよい、チェ尚宮。それくらいで許してやれ。
こたびのテホグンの働き、誠に天晴れなものであったゆえ、
一晩ほど屋敷で休んだとてかまわぬ」

は、と短く答えてチェ・ヨンが頭を下げると、
王と王妃はその上で、口元を緩めながら視線をやりとりする。
内官たちの口元にも、笑みの気配がただよう。
その何やら思い含みの空気に、チェ・ヨンは怪訝そうに周囲に目をやった。

「して」

軽い咳払いとともに、王が再び口を開く。

「その、約諾は取り付けたのか?」

チェ・ヨンは、は? と語尾を上げて、かすかに眉をしかめる。
王妃が物思わしげに、王を見る。
チェ尚宮が一歩チェ・ヨンとウンスに近寄って、低い声で言う。

「チョナは、無事におまえがウンス殿と言い名付くことができたのか、
それをお知りになりたいのじゃ」

思わずチェ・ヨンとウンスは顔を見合わせる。
そして申し合わせたように同時に、王に顔を向ける。

「で、どうなのじゃ。婚儀の約定は成ったのか」

王ではなく、王妃が背筋をまっすぐに伸ばしたまま、
やや強い語調で尋ねる。
はあ、とチェ・ヨンは戸惑いの声を漏らし、
珍しく落ち着かなげに視線を床へとさまよわせたが、
すぐに顔を上げる。

一瞬ウンスの方を見て、すぐに視線を玉座へと戻す。

「このたび、このウンスと、夫婦となる約束を交わしました」

もう一度ウンスの方を見る。
今度は目が合って、チェ・ヨンの眼差しがそれとわからぬほど優しくなる。
ウンスが微笑み返すと、チェ・ヨンは前を向いて言葉を続けた。

「この場にて、ご報告申し上げます」

王と王妃は、今度はにっこりと笑みを浮かべてうなずき合う。
ぜひ、そちの口から聞きたかった、と王が喜びを抑えられぬように
口元に笑いを浮かべて言うと、チェ・ヨンの眉根が急に寄る。

「まるで、すでにご存知のような言い方ですが」

まあよいではないか、余にもそのくらいの手下(てか)はいる、
と王が気にもとめず機嫌よくそう言うと、ウンスの目が丸くなる。

「それにだ、屋敷の使用人を城下に追い出しておいて、何を言う。
うわさは千里を走ると言うではないか、うむ」

ウンスの顔がみるみるうちに赤くなる。
チェ・ヨンに向いて、声は出さずに、だから言ったじゃない!
と口の形だけで言うと、チェ・ヨンはそっとウンスから目をそらす。
ウンスはチェ・ヨンの着物の袖をくい、と引っ張って、
顔をこちらに向けさせようとする。
痴話喧嘩でもはじまりそうな様子に、王が本題を切り出す。

「二人を呼んだのはほかでもない」

王の声のあらたまった響きに、チェ・ヨンとウンスは王に向き直る。

「テホグンチェ・ヨン、ユ・ウンスそちら二人の婚礼の儀について話がある」

二人は目を見合わせた後、何がはじまるのかと王を見た。



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by kkkaaat | 2014-10-06 20:35 | 金銀花【シンイ二次】 | Comments(17)

リクエスト一覧(10月6日リクエスト追記)

※記事上げてから、またリクエストをいただいていたことに気づきました。後で一覧にさらに加えさせていただきますね。土曜日いっぱいはリクエストを受け付けたいと思いますので、週末にコメントしようと思ってたのに、という方は遠慮なくどうぞ~!


こんにちは、ミチです。

一周年に際して、温かいお祝いのお言葉、そしてたくさんのリクエスト、
本当にありがとうございました。
こうして皆さんの「何が読みたいか」をあらためて知ることができて、すごーーく面白かったです、主に私が(笑)

一周年のお礼に追記しようと思ったのですが、とても長くなったので、別記事にさせていただきますね。軽く集計させていただいたので、どういう形でおこたえしようか、漠然とですが、コメントしつつ、結果発表&今後の更新予定など書いていきたいと思います。

まず、リクエストが複数かつ多かったものです。
これは、一周年企画として書かせていただきます。
というか、私も書きたかった~、というあたりだったので、ほっとしました。

・「火、狩人」の更新(取り急ぎな感じですが、更新してみました)
・ヨンとウンスのラブラブな話(ヨンとウンスの結婚前の二ヶ月の話もこれに入るかな)
・ヨンとウンスの大人な話(子作りを相談するヨンとウンスの話も複数リクエストが)
・ドラマでは描かれなかった場面の話
→ヨンがウンスに「買い物に行きましょう」と言ったあとの買い物風景

※ドラマの描かれなかった場面に関しては、他にも以下のようなリクエストがありました。ここらへんは、短編にならないかもですが、断片なら書けそうなので、ちょこちょこ行きたいです。
→ヨンとウンスがスリバンの用意した部屋で見つめ合う場面
→二人が意識しているのに自覚がない頃のエピソード
→ヨンとキ・チョルの一騎打ちをウンスが止めて、ヨンの手に包帯を巻いたあとの二人が皇宮に戻るまで
→元の使臣から逃げて天門に向かっている間の話
→ウンスとウダルチの話(現代のドラマや映画の話をしてあげる/石鹸や歯磨き粉のくだり)
→22話バックハグで鬼剣の話をしたあとの話


次に多くはなかったですが、複数の方からリクエストいただいたものです。
愛憎もの(嫉妬や記憶喪失系)はやはり人気ありますね~。


・「ウダルチ五番勝負」の続き
・チュンソクメインの話
・メヒにやきもちを焼くウンスの話(メヒが実は生きていて、敵方にいたという話も。壮大な話になりそう…?)
・ヨンでもウンスでも、相手に嫉妬をする話(ウンスにウダルチや権力者が懸想したり、ヨンに婚約者の話が持ち上がったり、いろいろなパターンが)
・王様、王妃さまの話(ウンスとヨンをいれた四人の話含む。王様を温泉旅行に行かせてあげて、それにヨンとウンスを一緒に連れていってというものも)
・韓ドラ王道、記憶喪失もの(ソウルの記憶しかないウンスと取り戻させようとするヨンとか。ヨンが昏睡中に浮気してしまうウンスとかも大きい枠ではこれかも)
・筆記の話の穴埋め
→北斗七星の「テマンのあれ」とウンスが言ってた話(北斗七星の続きで、ほんのちょっぴり明かされます)
→「颶風」ラストのウンス、ヨン、テマンが会って食事をした場面
→「雨」のウンスサイドの話(ウンスが百年前に行っていた期間の話。これ頭の中にはあるのですが、暗めなんですよ~)
→「明日の風」でウンスが兵舎に忍び込んだ時に気づいた兵士たちの会話、早くテホグンを部屋に返そうと頑張って仕事している様子。翌朝起こしに行く様子。
→「金銀花」で婚礼の日、チョナとヨンがどんな下世話な話でもりあがっていたのか
→ウンスが毒のせいで子どもができないかもの話を、ヨンとしてる時の話(こちら、北斗七星の5話めのコメント欄下の方にて、少し補完の会話を載せてます。ほんの少しですが…)

他にも、私が読みたいよ! と思うようなリクエストがたくさんありました。

・ヨンの好きなもの、大切なモノの話(いちばん大切なのはウンスですよね)
・ウンスが真剣にソウルに戻りたいと思うようなボタンの掛け違いの話
・ヨンからウンスへの贈り物の話
・三角関係もの
・ウンスと王妃様の女子会
・二人の家の家具を揃えるための買い物の話、喧嘩の話
・夫婦喧嘩してウンスが現代へ帰り、ヨンが追いかける話
・ユ・インウとヨンの話
・徳興君の颶風までと颶風後
・イ・スンゲの出る話

そして、無茶ぶりリクエスト(笑)
すみません、無茶ぶりせよ、というのがむちゃぶりでしたよね?
私の期待に応えて、人柱になってくださった皆様、ありがとうございます。
ここらへん、再来年くらいには書けるかもしれません。
実はすごく書きたい気持ちになったのがこのカテゴリーなんですが、これを優先して書いたら、やっぱまずいかな、と(笑)

・ヴァンパイアもの
フナッシーVSヨン
・チュソク→ヨンのBLもの
・ユ・インウとチェ尚宮の恋もの
・ヨンが子ども化する話
・触手ネタ

(10月6日追記)
さらにさらにリクエスト、いただきました!
かなり骨太なネタ、長編向きのネタもありまして、全部自分で書くのはさすがに無理だろうと思うものの、できればどなたかの手で全部読んでみたい、と思わされるものばかり。時間の許す限り、書いてみたいですね~!!


•ウンスがキ・チョルにさらわれてキ皇后のもとへ連れて行かれるが気が合う話
•ウンスがチャン先生を選んだらどうなるか、という話
•ウンスの過去の経験相手に嫉妬するチェ・ヨン
•ヨンとウンスに隠し子がいて王と王妃の子とは別々に育てられ血のつながりを恐れながら惹かれあう話
•キ・チョルから守るために王命により婚儀を命じられる二人の話
•ウンスの鈴の髪飾りにまつわるエピソード
•キ・チョルが天門をくぐれていたらどうなっていたのか
•チャン先生、途中退場でなかったらどうなっていたのか
•ウンスが両親に合う話
•北斗七星でちらりと出たトクマンとテマンの話
•チャン侍医→チェ・ヨンのBL
•実は本編の最後ウンスとヨンが現代が行った話
•ヨンとウンスの子育ての話
•チャン先生のそっくりな身内が出てくる話
•ウンス ヨンの人迷惑な馬鹿カップルとお邪魔虫ウダルチ
•トクマン、テマン、チェ尚宮の恋
•テマンを連れてきたときのウダルチの騒動話
•トクマンとテマンが恋敵の話
•ヨンとウンスのラブラブデートや一緒にお風呂とか夜のお話
•ヨンとウダルチの絆を感じられるお話
•ヨンとウンスとチャン侍医の三角関係なお話
•颶風で二人のテマンが遭遇したシーン
•王様の赤ちゃんを自分たちの子供として育てることになった後に、ヨンとウンスの間に本当に赤ちゃんができちゃう話


わたしのリクエストがない! って思われた方、何気ない日常、とかはラブラブのところとかにカウントが吸収されています。というか、「あ、これはこの話の中でこういう場面で書けそう~」と私が頭の中で思って勝手に吸収してるものがいくつかあります。ご容赦を。

最初は、リクエストいただいたものの中から、2,3の短編を書ければいいなあ、と思っていたのですが、いざいただいてみると、やはり書きたくなるリクエストも多くて。
全部書けるかは、さすがに自信がないのですが、できる限りおこたえしていこうと思います。

「北斗七星」「火、狩人」の更新に、リクエストを挟み込む感じで、年末までに「ラブラブな話」「大人な話」(これは一緒になるかもですね。金銀花の結婚式の前の期間の話になります)、「買い物話」を書き上げたいです。
来週少し時間があって、10月後半は少し忙しいのですが、11月の前半に年内の仕事が終わるので、そこから12月の前半までは、昨年同様自由時間が持てそうですので、そこでいろいろ書けるといいなあ、と思ってます。

一年間、むらのあるブログ運営なのに、見守って読んでくださった皆様、あらためてありがとうございます。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

ミチ拝





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by kkkaaat | 2014-10-04 04:50 | お知らせ | Comments(17)

【シンイ二次】火、狩人8

バンの扉がスライドすると、まずチュンソクとトクマンが素早く飛び降り、
あたりの様子を伺った。狭い扉に身体をねじ込むようにして、チョナを
かばうようにしてチェ・ヨンも足を踏み出す。

「テマン」

チェ・ヨンは低くそう言うと、助手席の青年は身軽に後部座席を飛び越えて、
こんこんと眠る女性の横に膝をついて控えた。
最後にチョナが、ゆっくりと道路に足を下ろす。
その硬く平らはな感触に、足元に視線をやり、ならされたアスファルトの
うえで足をかすかに動かして確かめる。
おもむろに顔を上げたチョナが口を開く。

「ここが、そなたの屋敷か」

チョナがそう尋ねると、ドアに向かいかけていたウンスが振り返る。
腰に手を当てて、少しだけ顎を上げる。

「そうですけど!」

この年齢の女性が、事務所付きの一軒家を買うのは、
そうそうできることではない。

「仕事場もかねた住居なの。いわば、わたしの城、ってとこかな」

ウンスはチョナの口から何かしら褒め言葉が出るのを当然のように待って、
片頬を得意げに少しだけ上げた。

「そうか…」

眉を得意げに上げ下げするウンスの顔を、城? とかすかに眉をひそめて見ながら
チョナが黙っていると、チェ・ヨンが目顔でチュンソクに合図を送る。
チュンソクがウンスを押しのけるように一階の事務所部分についている
ガラス扉に近づき、数秒不思議そうに中を覗きこみ、ドアノブを引く。
ガタガタと揺れるドアを見て、ウンスが慌ててかけよった。

「ちょっとお、そこのヒゲ男、勝手に触らないでよ! 
鍵を開けてないんだから、開くわけないでしょ!」

ひ、ヒゲ男…っ、と目を見開いてウンスを見ながらつぶやくチュンソクを
今度はウンスが押しのけて、鍵を開ける。
鍵ががちゃりと回るやいなや、チュンソクがウンスをさらに押しのけ返して、
先に事務所の中に足を踏み入れた。

「な、なにすんのよ!」

と文句を言いながらドアをさらに開けるウンスを突き飛ばすようにして、
チェ・ヨンが中に押し入る。

「ねえねえ、ねえ! ここわたしの家なの。勝手に入らないでよ!
ちょっと、あんたたち失礼じゃないの!!」

ようやくチェ・ヨンに続いて中を覗いたウンスの口から悲鳴めいた声が上がった。
車から降りてきたチャン・ビンが足早に駆けよる。
どうした、とウンスの後ろに立ったチャン・ビンが尋ねる間もなく、
ウンスの口から怒声が上がる。

「靴を脱いでよ!」

土足は事務所まで、奥の部屋はちゃんと脱いで! と言いながら、
ウンスも事務所の中に入ろうとすると、戻ってきたチェ・ヨンにまた
押し返される。
後ろによろけてチャン・ビンにぶつかり、なんとか転ぶことはなかった
ウンスは両手の拳を握りしめて、わなわなと言葉を失っている。

「チョナ、屋敷の中に人影はなく、安全です。
ワンビママをお連れしますので、先に中へ」

チェ・ヨンがそう告げると、むさくるしいところですが、
どうぞお入りください、とチェ・ヨンに変わってチョナの前で周囲を
うかがっていたトクマンが扉へと手ですすめる。
うむ、とチョナがうなずくと、チェ・ヨンが開けている扉を
物珍しそうに眺めながら足を踏み入れる。

「む、む、むさくるしい…ですってえ」

震える低い声が、ウンスの口から漏れたが、
この時代錯誤な男たちは、屋敷の持ち主をまったく無視して中に入ってしまった。

「ウンス」

まずは怪我人を運ぶのが先だ、とチャン・ビンの落ち着いた声がして、
後ろから慰めるように肩をぽんぽん、と二度叩かれる。

「今だけ、今だけよ…落ち着いたら、すぐに出ていってもらうんだから…!」

ウンスはぎゅっと拳を握り直すと、車に向かって踵を返した。



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by kkkaaat | 2014-10-03 00:14 | 火、狩人【シンイ二次】 | Comments(11)

二次小説。いまのところシンイとか。
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