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筆記



【シンイ二次】星天の屋根 おまけ~起き抜けのヨンとウンス



「イムジャ、起きてください」

ささやかれて、チェ・ヨンの上で丸くなっていたウンスは薄く目を開ける。
身構えていた眩しい光はなく、まだ明けたばかりの少し間抜けな感じのする
白っぽい晴天が目に入った。

「まだ早いじゃないの」
「まだ明け方ですが、あと半時もせずに兵たちが起きはじめます」

それがなあに、とチェ・ヨンの顎の下に身をすり寄せながら言うと、
俺はかまわぬが、あなたはこうして共寝しているところを見られたくないでしょう、
と髪を指に絡めるように触りながら言われた。
ぱちり、とウンスの目が開く。

今なら誰も見ておらぬゆえ、と言いながら、なぜかチェ・ヨンはちらりと上の方に
目をやった。
ウンスが急いで身体を起こそうとするのを、ぐいともう一度引き寄せて、
そこまで急がずとも、と腕を回したが、ウンスがそれを押しのける。

「ちょっと、ちょっと、どいて。どいてちょうだい。こんなところ見られたら、
気まずくって一緒に旅ができないわ」

慌ててチェ・ヨンの身体の上から降りると、近くにあった筵の端に手をかける。

「そうだわ、昨晩はありがとう。おかげでとてもよく眠れたわ」

チェ・ヨンが引き寄せた筵を元の位置まで引きずっているウンスは、
上の空でそれだけ言った。
あまりありがたがっておられぬようだが、とチェ・ヨンが笑いながら言うと、
いいえ、本当に感謝しているのよ、と筵の上に腰掛けて寒さに身体をこすりながら
ウンスは言うが、きょろきょろと辺りを見回していて、やはり上の空だ。

チェ・ヨンが、は、と一つ息を吐いて肩をすくめていると、
ウンスがチェ・ヨンに向けて手を伸ばす。

「なにか」

そう問うと、ちょいちょいとチェ・ヨンの上にかかった綿入れを指さす。
放り投げると、ウンスは急いで広げて身体に巻きつけた。
ウンスはチェ・ヨンに背中を向けて横になったが、もう一度急いで身体を起こす。

「冷たくて嫌だけど、眠いからもうちょっとだけ寝るわね、おやすみ」

そう言うと、うんと身体を縮こめて、ぎゅっと綿入れの中に丸まった。
その様子が可笑しくて、チェ・ヨンがくくく、と笑うとウンスは、
笑い事じゃないわ、とぶつぶつと言っている。

「それでは俺は起きるとします」

チェ・ヨンはそう言って、身体を起こすと、筵を丸め、外してあった鎧を
手に取ると、横になっているウンスの傍らにどっかと腰を下ろす。

「ちょっと! なんでそこに座るの」

離れたのに意味がないじゃない、とウンスが言うと、見張りです、とチェ・ヨンはうそぶく。
ウンスはチェ・ヨンを睨みつけていたが、屈託のない笑顔でじっと見つめるに根負けして、
自分も笑ってしまった。

「もう、いいわ。わたしも起きるから」

そう言って、ウンスが起き上がると、手を貸しながらチェ・ヨンが言う。

「もう二日目になってしまいました」

名残おしい、あとたったの九日で開京に着いてしまう、というようなことを惜しむように言う。
ウンスがまだやっと一日すぎたばかりよ、と首をかしげると、チェ・ヨンは真面目な顔をして言った。

「旅でなら、こうして一日中あなたのお側におられます。
都に戻れば、そうもいかぬ」

大真面目にそんなことを言うが可笑しくて、ウンスは笑いかけて、それを止める。
チェ・ヨンは本当にそう思っているのだ。

「大丈夫、都でもずっと一緒よ。ずっと、ずっと側にいるわ」

チェ・ヨンの手を取ると、ウンスは安心させるように、その手をポンポンと叩いた。

ええ、そうですね、とチェ・ヨンはウンスから目を上げて、
まだ明けきらない西の空を見ながらそう言った。



(おまけおしまい)


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by kkkaaat | 2013-10-21 22:56 | 星天の屋根【シンイ二次】
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二次小説。いまのところシンイとか。
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