北斗七星
中国では天帝の乗り物と見立てる説や、北斗七星を司る北斗星君という神がいる他にも、北斗七星の各々の星々に伝説がある。
例えば、宋の仁宗皇帝には文の包拯(包青天)、武の狄青の二人の名臣が居たが、この二人はそれぞれδ星(文曲星)、ζ星(武曲星)が仁宗を助けるために天帝の命によって天下ったものであるという伝説が水滸伝に記されている。水滸伝の主人公宋江もα星(天魁星)の天下ったものとされ、そのことから「星主」とも呼ばれている。
―Wikipediaより
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
ようやく「北斗七星」を終わらせることができました。
書き始めてから一年半……、大変遅筆で申しわけありませんでした。
そして、幾人かのずっと追いかけてくださった方にまずは心からお礼申し上げます。
ありがとうございます。
途中から読んでくださった方、今回初めて読んでくださった方、
本当に、ありがとうございます。
「雨」を出発点に、「明日の風」「金銀花」「颶風」の三つの話を柱にしたひとつながりのこのウンスとチェ・ヨンのお話は、この「北斗七星」でラストです。
以前にも書きましたがこのブログは、「明日の風」「金銀花」「颶風」の中で生きるウンスとチェ・ヨンの二人を書きたくて立ち上げました。それを書いていく中で、コメントで、王妃様と王様とウンスとヨンの史実とは少し違う未来の話のリクエストをいただきました。
この「北斗七星」の結末は、この一連の話がたどりつくラインとして、妄想としてはあったのですが、物悲しい話なので、二次創作としてアップするつもりはありませんでした。
そのあとに、三つの話を書いていくうちにドラマの中のさまざまな伏線や設定について、いろんなことを思いめぐらすようになりました。「どうして天穴はウンスだけを通したのか」「ウンスが来たことでずれた歴史はどうなるのか」「天穴を通るものは大きく歴史を変えられるのか」「歴史が変わったらウンスの存在はどうなるのか」。
「なぜ、ウンスでなくてはならなかったのか?」
そういう想像をいくらでもさせてくれるのが、このドラマの本当に面白いところです。
自分の妄想の中でつじつまが合うと、めちゃめちゃワクワクしたり。
その中で、「北斗七星」の話の細部が膨らんでいきました。
実は、もっとハッピーな終わり方ができないかなあ、と思いました。
ウンスに子どもが産まれ、王妃にも子どもが産まれ長生きし、チェ・ヨンはイ・ソンゲに殺されず、王は気が触れず。
そういう夢想ももちろんしています。
つじつまを合わせることもできるような気がしました。
あまりにそうなって欲しいと自分でも思っているので。
けれど、「明日の風」「金銀花」「颶風」で描きたかったドラマ『シンイ』の魅力は、ちっぽけな力しかもたない人間が、右往左往して動乱の世界の中で運命にあらがって、ほんのひと時の幸せを願いつかむ、そういう側面だよなあ、と思いました。
ウンスもチェ・ヨンも、ドラマの中で、自らの役割を痛いほどに意識して生きています。
自らの力としてそれを使いはしますが、天穴の力、現代医学の力、雷功の力、権力の力を使って自分のいいように運命を変えようとはしていません。そもそも、それでも変わらぬ運命の切なさ、そこを細い糸のような正しい選択で、再びめぐりあう二人の切なさにめろめろになったのが、シンイの二次創作をはじめたきっかけでした。
なので、最初に書いた三つの話のラストは、ウンスがチェ・ヨンが王が王妃が、もがきごくごく少ない選択肢の末に、選び取る形でのハッピーエンドとなりました。
王妃様の悲しい運命は変えられなかったけれど、彼女の悲願であった子どもが命をつなぎ、王は二人で決めた選択を悲しみながらも受け入れ、政権を放棄することはなくなり、チェ・ヨンとウンスは子どもを得ます。
史実で書かれたことの裏側に、ドラマではこんなふうな秘密があったらいいなあ、と。
この子はどうなるのでしょうか。
歴史上の、禑王の寧妃崔氏は彼女なのでしょうか。
私は歴史上の、王と王妃の死産だった子と、禑王の妃となって殺されてしまったチェ・ヨンの娘の、そのどちらもが、この秘められた歴史改変によって、なんらかの形で生き延びていく、そんなふうにシンイの世界の未来を夢想しています。
歴史とからみあっていくらでも想像が広がっていく、シンイというドラマに私が感じた魅力を、少しでも二次創作にこめられていたら幸いです。
ここまで、お読みいただきありがとうございました。
読んでくださる方がいたので、ここまで書き続けることができました。
コメントやバナークリックやいいねや、読んでるよ! の声で励ましてくださったこと、重ねてお礼申し上げます。
お話のラストということで、少ししんみりしてしまったので、次はリクエストいただいたリストの中から、明るくラブラブか、笑える傾向のものを選んで更新したいと思います!
ミチ拝
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